2016年12月17日

日記:12/06 - 16

2016/12/06 火

 犬のポコの誕生日で、今日で7歳となる。犬としてももう折り返しだし、生まれつき腰を悪くする運命にあるコーギーにおいては残されている時間はより少ないと言っていい。とは言えまったく老い衰えている様子はない。脳腫瘍疑惑騒動以降ぴんぴんしている。散歩のときもリードを引っ張る力は前より強い気がする。誕生日なので公園に連れて行ったが死ぬほど寒いので早めに切り上げた。気が狂うような寒さで、ぼくは身体の冷えのせいで憂鬱になった。ポコが道端におとしたうんちを拾うとき、若干ゆげが立っていてとても暖かそうだった。ふところに入れたくなるが思いとどまった。

2016/12/07 水

 寒い中ポコのお誕生日リクエーションに付き合ったせいで妻が風邪をひき、一緒に病院に行った。平日の午前中の病院、待合室は老婆でいっぱいだった。老婆がより上の老婆に席をゆずったり「家庭画報」を読み聞かせたりしていた。妻は発熱してもアプリゲームの「ポケモンGO」をやめない。メタモンって、あんな適当な落書きみたいな見た目だけど、とても洗練されている気がする。波打った輪郭にも無駄がないし、ただでたらめにスライミーなわけではなくちゃんとメタモンとしての形がある。本当になんにでも変身できそうな、柔軟かつニュートラルな形状で説得力すらある。子供の頃からデザインにおいては一番好きなポケモンだったと思う。
 死ぬほど待たされたがインフルエンザではないとわかった妻と食料を買って家に帰ったら昼過ぎで、ぼくも出かけるのをやめて寝ることにした。妻が熱を出しているのだから出かけない理由は十分にある。眠いのだから寝てもいい理由も十分にある。目が覚めたら夕方だった。

2016/12/08 木

 通信アプリの別々のチャット欄で片や歴史好きの友達が真珠湾真珠湾と連呼して、片や音楽好きの友達がジョン・レノンジョン・レノンと連呼していた。AMラジオとFMラジオみたいなふたりから別々の話題を振られ続けてどちらもどうでもよくなった。でも来年こそはハワイに行ってみたい。
 『七人の侍』や『荒野の七人』の遺伝子を受け継ぐ『マグニフィセント・セブン』の試写に行った。やはり西部劇はおもしろい。娯楽として完成されている。銃声が恐ろしくない。イ・ビョンホンってかっこいいんだなあ。もうちょっと英語のできる日本人俳優がいっぱいいれば、ハリウッド映画の東洋人枠を分けてもらえそうな気がするんだけれど。いや、でもあそこはイ・ビョンホンが良い。
 閉店ぎりぎりだったけれど、六本木のレゴストアに初めて行った。先週末から来年の新作セットが先行発売となっていて、SWのYウィング(もちろん『ローグ・ワン』枠)がとても良かったので購入。これで今年のレゴも最後だろう。レゴおさめである。Yウィングはこれまで何度も発売されているけれど、今作は近頃のSWレゴの例に漏れずディティールが細かく出来が良い。それだけなら琴線には触れないけれど、このセットにはミニフィグが5体もついているから魅力的だ。パイロット、名称不明のアストロメク・ドロイド(ドーム状の頭が透明なのでR3系かな。最近はこのあたりの設定もめちゃくちゃだけれど。いずれにせよモブのドロイドは好き。画面のずっと奥の方で黙々と作業しているようなキャラクター)、新キャラでモン・カラマリのラダス提督(サーモン色のモン・カルのイメージをぶっ壊すような、非常に不健康でキモい色をしているが気になるキャラ)、それから氷獣ワンパをずっと知的にしてウーキーっぽくしたような新キャラのモロフ。さらにストームトルーパーが一体ついているというサービスの良さ。見事に脇役(というかほとんどモブ)しか入ってないセット(Yウィングそのものが脇役戦闘機だしね)。こういう地味なグッズがSWの醍醐味だよ。
 Yウィングって、爆撃機なのにボマーじゃなくてスターファイターなんだよなあ。ちなみにこのセットのYウィングはギアをまわすと爆弾(円筒形でかなり露骨な形状)が腹の穴からぽとりぽとりと落っこちる仕掛けがついている(こういうおもちゃのギミックを、この仕掛けは自分で組み立てたんだ、と思えるところがレゴの良いところ)。それを見た妻がかなり不快感を示していたが、確かにきゅうに戦争っぽい。ギャレス・エドワーズのリアルな軍隊描写にこだわる思想がレゴにまで波及しているのだろうか。SWの魚雷とか爆弾って、なんだかよくわからない光る玉ってイメージがあったけれど。
 子供の頃買えなかった大きなセットを買うのはとても楽しくうれしのだけれど、所持パーツが増えるに従って作れるものの幅が広がりそうなところが、逆に説明書通りに組み立てるくらいのことしか思いつかなくなっている。それはそれでいいのだけれど、限られた少ない部品を工夫していろいろ作っていた頃のことが懐かしいな。それも親の知り合いの家から引き取ったお古のレゴだったから、ブロックの角が欠けたり丸くなってしまっていたり、色が焼けていたり、接合部分がすかすかだったりした。お城を作ろうと思ったらもうお城をひとつ作って終わる。宇宙船を作ろうと思ったら宇宙船を一隻作って終わる、そんなかつかつな感じ。でもそのときは、SNSに載せてさまになるような、お洒落でかっこいいやつを作るぞーというような変な構えはなく、思いつくままに部品を組んで想像を膨らませたものだ。一度作り上げて飽きたらまだ破壊する。この破壊がまた楽しい。ぼくが暴力的な少年にならなかったのはきっとレゴブロックが異様なカタルシスを与えてくれたからだろう。宇宙船が墜落してバラバラになり、城が崩落する。ビルディングは核攻撃を受けたかのように一瞬で霧散し、船は大破してカーペットの海に沈没した。レゴはビルド&スクラップの精神を早い段階で教えてくれた。この地上では何度でも、果てしなく破壊と創造が繰り返されていて、それをめちゃくちゃ小さくした縮図がぼくの手の中にあるような気がした。 
 今は、それなりの値段のするモデルを一度組み立てると、その完成した状態をその値段で買ったんだという意識が強くなってなかなか壊したり前から持っている部品とまぜる気になれない。子供の頃は平気で買ったばかりのモデルもすぐばらして所持パーツに加えてたんだけれど。しかし、それは多分子供の頃はそこまでまとまった大きなセットを買えなかったから、あくまでちまちまと部品を補充するために小さなセットを買ってもらっていたから、ていうところもあるのかもしれない。「この部品があれば、家にあるあれと組み合わせて、ああいうのが作れるなあ」みたいなこと考えてレゴを選んでたのかもしれない。それもまた大きなセットに手が届かない子供なりの工夫だったのだろう。『レゴ・ムービー』に出てきた融通の利かないこだわり親父(お仕事社長、ウィル・フェレル演)みたいにはなりたくないから、できれば説明書やシリーズの区切りなどを完全に無視する「雲の上の楽園」的精神を大切にしたいから、あまり深く考えたりこだわったりしないようにしよう。そもそも新しく迎えたモデルを組み立てた状態で飾っていったらスペースがなくなる。レゴの利点とは、何度でもバラバラにして組み直せるところだ。怖がらずにちょうどよさそうなものはバラしてほかのものと組み合わせて、少しずつ子供の頃の感覚を取り戻したい。
 レゴだけでなく、おもちゃって、部屋にちょっとだけあるのがいちばんかっこいいんだろうなあ。そういうの、憧れるけれど、オタクにはどうしたって難しいよね。とは言え、蒐集趣味とミニマルな生活ってのは本当に相性が悪いものなのだろうか。ミニマルな蒐集というのもあるだろうと思う。で、今からミニマルな蒐集にシフトしていくには、少しずつ物を捨てなければならなくなる。以前、ぼくはたくさんコレクションを手放した。捨てるのは嫌だから、趣味の合う人にあげたり。でも、最近また少しずつ当時ほどの量ではないにせよ、コレクションは増えてきている(少なくとも無闇やたらに集めるって感じではなくなったかな)。なんでもかんでも捨てるってのも妙なものだと思う。それを推奨する、いわゆる片付けのプロなんていう人たちは、どうも物質主義的な考えを見下してる印象があって、ぼくは抵抗を覚えちゃう。参考になるところは実践するけれどね。しばらく着てない服は捨てちゃっていいとかなんとか(服をコレクションしているひとからしたらまた釈然としないところもあるだろうな)。
 なんでもほどほどが良いよね。ミニマルはかっこいいかもしれないけれど、そこまで追求しようとは思わない。最小限を追求していったら最後にはなにもない部屋になっちゃうし、そもそもぼくの生きがいや職業そのものはミニマル思想においては削減の対象なんじゃないだろうか。生きて行く上で本来必要ないものが、ぼくに喜びを与えてくれる。まあ、ミニマリストもなにも洞窟で暮らせと言っているわけではないと思うけれど……。余分なものは減らせってことだよね。ほどほどなコレクションを維持したい。

2016/12/09 金

 ここのところせわしなさすぎてちっとも日記のメモができなかった。これを書いている現在はなんと20日である。いや大変な日々だった。というわけでこの9日の日になにしてたかなんてもはや覚えていない。試写に行って、前日買ったレゴを組み立てたくらいだろうか。12月に入ってからは毎日レゴSWアドベント・カレンダーを開けている。もっと前から毎年やっていればよかった。こんなに楽しいとは思わなかった。とは言えアドベント・カレンダーって別に曜日がついていたりする本物のカレンダーではない、ただ12月に入ってから24日分カウントダウンしていくだけのものなので、過去に発売されたものをいつの年に使ってもいいんだよね。

2016/12/10 土
 
 この日のことも書けるほど覚えていない。おそらく翌週前半までにやらなければならない仕事に取り組んでいたことだろう。金曜日に月曜日までの期限で依頼がくることもたまにあるのだ。そのかわり平日の好きな時間に寝られるけれどね。

2016/12/11 日

 同様に書くこと無し。作業して、サザエさんでも観ていただろう。

2016/12/12 月〜14 水

 かなりハードな日々だった。とてもまともに寝られなかったけれど、唯一の原動力は木曜の深夜に『ローグ・ワン』を観ること。それだけでなんとかがんばれた。来年はあまり真夜中まで仕事をしないでやっていきたい。夜中に送られてきたEメールにまず返事をしないようにしたい。。。正直言って命を削ってまで絵を描きたいとは思わないし、相手が昼もなく夜もなく働き通しなのは立派だけれど、それに合わせてぼくも生活するのはちょっときついものがある。来年はもう一人暮らしみたいな生活リズムをやめたい。
 なんにせよ徹夜明けでそのまま出かけてひとと話すと、ものすごくぼんやりしてしまって本当にいけない。こんなのは人間の生活じゃない。

2016/12/15 木

 『ローグ・ワン』公開は翌日なのだけれど、この日の深夜、日付が変わるときにはもう観られる。前に書いたように電車がなくても歩いて帰れるシアターで観た。非常に出来の悪いコスプレをしたひとが何人かいたが全然お祭りムードではなかったので、静かに観ることができた(映画館が手配したわけでもない、完全な有志なのに場所をとって撮影会を始めちゃう感じ、なんなんだろうね?)。妻いわく、ぼくは途中で何度も何度も身を乗り出して画面に見入っていたらしい。IMAXの大きなスクリーンだから、身を乗り出せばよりよく見えるかのような、景色でも見入るような感覚だった。いやあ良かった良かった。

2016/12/16 金
  
 明け方眠りについて、昼間までよく眠った。『ローグ・ワン』は本当に良かった。良かった良かったと友達と通信アプリでやり取りできてより楽しい。正式な公開日であるこの日は観に行かなかったけれど、ずっとローグ・ワンのことばかり考えていた。なによりも創作意欲が刺激されたのが良かった。創作がしたい。