2015/10/19

スター・ウォーズ新作メモ 11-12


 すでに公開まで2ヶ月を切ったので更新ペースを上げたいところ。でも、公開したあともこのスタイルでSW記事制作を続けたいと思っている。ちなみに新たな予告編が近々公開されるそう(明日?)。
 初の女性主人公ということで、デイジー・リドリー演じるレイに注目が集まる。とは言え今までの作品でもレイアやパドメは主人公のひとりとして活躍しているので、そこまで新鮮なことではない。主人公はひとりのようでありながら皆主人公でもあるのがSWの良いところだし、SWは男女ともに楽しめるものだとぼく個人は考えている。
 レイがソロ夫妻の娘である可能性は濃厚となっており、なんとなく設定は想像がつくのだが、フィンに関しては謎な部分が多い。最初のティーザー映像に冒頭から登場して以来新作におけるひとつの顔となっている彼を、同じ黒人というだけでランド・カルリジアンの息子だとする説もあり、それはさすがに安直だろうと思っていたのだが(安直というかやや乱暴のような気もする。ほかにも黒人は大勢いるという可能性を無視しているように見えるし、ランドの顔とフィンの顔は全然似ていないのに黒人というくくりで考えてしまう感じがいただけない)、ここへきてその可能性も捨てられないものとなった。フィンは「帝国の逆襲」で奪われたルーク・スカイウォーカーの青いライトセイバー(元アナキンのライトセイバー)をクラウド・シティまで探しにいくミッションを与えられているのだという情報もあり、そうなると空中都市を介してランド(「帝国の逆襲」では主人公たちがクラウド・シティでランドと出会う)のイメージと重なっていくのだ。フィンはコンセプトアートの段階からアナキン=ルークのライトセイバーを上着のポケットに入れている姿が見られているので、ライトセイバーを巡る冒険では重要な役割を果たすだろう。失われたはずのライトセイバーが取り戻されるということは、アナキン、ルークに続いて次の世代がこの武器を手にとることになり(恐らくはレイ。恐らくはね)、一本のライトセイバーが三世代に渡って受け継がれることになる。熱い。
 ポー・ダメロンはティーザー映像のせいでXウィングを乗り回しながら「フォオオオオオ!!」と叫んでる人、というイメージが強いが、あの様子からもポーのパーソナリティはそれなりに伺うことができる。要は調子に乗りがちなエース・パイロットといったところだろう。ポーはレイに恋心を抱いているが、レイの父ハン・ソロは、ポーにかつての無鉄砲で未熟だった自分の姿を見出しておもしろくないのだというような設定も広まっている。真意は定かではないが自然だし、人物相関図としておもしろい。
 そうしてポーはなにか失敗をするのだと思う。というのも、ティーザー映像ではブルーのXウィングに乗っているが、レゴ・ブロック等のオモチャでも明らかになっているように黒とオレンジのXウィングにも搭乗することになる(ドロイド・ソケットにはBB-8が!)。ブルーの機体に乗っている間めちゃくちゃ調子に乗っているので(「フォオオオオ−———ウ!!」)、黒オレンジの機体はやらかしちゃった後に乗るものではないだろうか。ポーがストームトルーパーに連行される様子も確認されているので、ブルーの機体は墜落ないし拿捕されるのだろう。失敗するヒーローは好きだ。なんといっても主人公の失敗は物語を動かす。


 さて、ヒーローより魅力的で困るのがヴィランたちである。
 アダム・ドライバー扮するカイロ・レイだが、アダム・ドライバーといえばポー・ダメロン同様の赤いフライトスーツを着ている姿がリークされていた。そこでドライバーが演じるキャラクターはカイロ・レンではないのではないかともいわれたが、すぐあとに黒装束でトルーパーを率いるドライバーの姿が明らかにされた。では、フライトスーツを着ていた黒い長髪の人物は別人だったのだろうか。ここでひとつ立てられる説とは、カイロ・レンはレジスタンスの仲間だったが裏切るというもの。いきなりアナキン・スカイウォーカー・ルートに入ってしまうわけだ。彼がソロ夫妻の息子でレイの兄であるのが本当なら、彼は祖父であるダース・ヴェイダーに執着していることになる(祖父の遺骸を掘り出しにいき、焼け残ったヘルメットを手に入れるほどだ)。
 さらに言えば、Xウィングのパイロットだったカイロ・レンの裏切りが、さきに触れたポー・ダメロンの失敗にも繋がるのではないかとも考えられる。
 ぼくが今のところ新キャラクターの中で一番気に入っていて、その見せ場に期待しているのが、グウェンドリン・クリスティー扮するキャプテン・ファズマだ。クロムメッキのトルーパーの絵がリークされたときから、銀ピカの甲冑のようで気になっていたが、大柄な女性で(ぼくにとってはかなり重要だ)、ボバ・フェットに重なるキャラクターというからには好きにならないわけがない。今のところピカピカのイメージしかないが、薄汚れた姿も見てみたい。
 次世代の若者たちがメイン・キャラクターをかためる本作だが、ハックス将軍(「HUX」の訳がまだ定かではないが、ひとまずこう呼ぶが)もまたこれまでの帝国軍将校役としてはとても若い。だがこれまでの将校キャラに負けない貫禄がある。なんだこの袖を通していないコートは。ズルいではないか。オゼル提督が束になっても適わない有能さを示して欲しいところだ。
 というわけで今回は悪役サイドもちゃんと主人公サイドに対応したパーティ性があり、主人公たちよりも華やかでかっこよく見えてしまう。レジスタンスとファースト・オーダー、あなたならどちらを選ぶだろうか?


スター・ウォーズ新作メモ 10


 「スター・ウォーズ」といえば関連商品の膨大さだ。これはディズニー買収以前からの恒例行事で、新作公開の時期はたくさんの新商品が発売され、それらを通してまだ見ぬ新しい作品に思いを馳せることができる。新作をまったくやっていない時期ですら常にハズブロ社のアクション・フィギュアやレゴ・ブロックのセットなどは出続けているわけで、SWとオモチャは切り離すことができない。特にアクション・フィギュアは第一作目公開時からケナー社がメイン・キャラクターから脇役まで網羅するシリーズを売り出しており、後にハズブロ社に吸収されたあともその遺伝子は今日まで受け継がれている。映画とともに歴史を歩んで来たこの魅力的なプラスチックの人形についても語りたいところではあるが、それはまた今度にしよう。
 やっと発売されたばかりなので、まだまだラインナップは寂しいが、徐々にオモチャとして現れはじめた新キャラクターの姿形からいろいろな想像を膨らませることができる。
「レジスタンス・トルーパー」というこの絶妙にダサい兵士だが、「レジスタンス」という言葉はレゴ・ブロックのセットにも登場している。恐らく主人公サイドの陣営のようだが、だとすれば反乱軍は?そもそもエンドアの戦いから30年、反乱同盟軍は銀河系の天下を取ることができたのだろうか?それは物語の重要なベースとなる点なので常に気になるところではある。ティーザー映像の大破したスター・デストロイヤーなどを見たところ、どうやら反乱軍は帝国を打ち破ることができたんじゃないかと思うのが自然だし、そうなれば体制側として銀河を統治しているはずだが、新たな脅威の登場で再び劣勢に追い込まれることになるのだろうか。序盤でこそ新しい平和な共和国として登場するものの、すぐに「レジスタンス」に格下げされて強大な敵に抵抗を余儀なくされるということか。あるいは、「レジスタンス」というのは従来の反乱軍(現在の体制や名称がどうあれ)からも分離した一派なのかもしれない。いずれにせよ反乱軍のようで反乱軍ではない「レジスタンス」、帝国軍のようで帝国軍ではなさそうな「ファースト・オーダー」の戦いは新世代の戦いになりそうだ。
 同じくハズブロのベーシック・フィギュアに登場した「ズヴィオ」というエイリアン。この円盤型のかぶりもの、なんだか既視感があると思ったら全く同じものを被っているキャラクターがCGアニメシリーズ「クローン・ウォーズ」に登場している。キューゾという種族のエンボという賞金稼ぎだが、彼は円盤型のヘルメット(シールド=ハットというらしい)をかぶっており、ときにこれをフリスビーのように投げて武器にしたり、裏返して両足に敷いて斜面を下ったりといろいろな場面で使いこなしていた。エンボも、ズヴィオと同じように口元を隠しているのだが、その顔つきも似ていなくもない(そっくりではないが)。これは同じ種族か。あるいは第一作目「新たなる希望」の酒場のシーンに登場したエイリアンのデュロスと、「ファントム・メナス」に登場するニモイディアンが親戚のような関係にあるのと同じように、関連性があるのかもしれない。

2015/10/06

【営業報告】SPUR11月号他


・すっかりお知らせするのが遅くなりましたが、「SPUR」11月号にて挿絵を担当した「ヤング・アダルトU.S.A.」の特集ページで、イラストカットを描かせていただきました。フルカラーです。
http://hpplus.jp/spur/magazine/new

・ポプラ社の文芸PR誌「asta*」11月号の読書レビュー連載「秘密図書館 in asta*」では山内マリコさんの「東京23区」を取り上げさせていただいております。
http://www.webasta.jp/asta/

・ぼくのウェブサイトの作品集はTumblrブログを使っているのですが、このTumblrページをTumblr公式の注目イラストレーター枠に加えていただいております。
https://www.tumblr.com/spotlight/illustrators

・さらに同じページを注目の映画系ブログ枠にも入れてもらっています。ひとつのTumblrでふたつのジャンルに加えていただき大変うれしいです。映画イラストを描く人間として認識してもらえるのも大変光栄です。もちろん他にもいろいろ描いていくつもりです。
https://www.tumblr.com/spotlight/film