第7回です。今回は3枚に渡ってのレポートとなってしまいました。とても一枚におさまりきる情報量ではなかったのです。
4月16日の発表会は、できればアナハイムまで行ってセレブレーションに参加して見聞きしたかったところではあるけれど、それでもライブ中継のおかげでその場にいる人達とほとんど同じ興奮を味わうことができた。こういうときインターネットがあって良かったと思う。
トークショーでは監督や社長、出演者があれやこれや話していたのですが何ぶんそこまでの英語リスニングのスキルがないので、その内容は英語に強い人が翻訳して書き起こしてくれることだろう。とりあえずトークの内容で判明したのは、これまでタトゥーインだと思われていた砂漠が、実は新たに登場するジャクーという星だったということ。前回紹介したティーザー予告第一弾や、それよりも前に触れたアブダビの砂漠での撮影ロケ風景など、誰もが「砂漠」と聞いてお馴染みのタトゥーインを連想したはず。それでも、中には玄人ファンが「砂の色や地形がタトゥーインらしくない!」と論じてはいた。さすがに勘ぐり過ぎだろうとぼくも思っていたけれど、案の定タトゥーインではなかったわけで、そういう細かいところに気付く人達はすごいなあと思う限りだ。
中継画面をワクワクしながら見続けていると、ようやく予告編第二弾が解禁された。こういう半ばお祭り騒ぎ的なムードの中で、リアルタイムで最新情報に触れるという体験はこれまであまり無かったので、それだけでもぼくにとって良い夜だった。
まずは新たに惑星ジャクーのものであると判明した砂漠が映り、遠景には墜落したスタ―・デストロイヤーが山のような風景を生み出している。第一作目の冒頭で見られたような、お姫様の乗った船を追いかけてく巨大で強い戦艦、というイメージへのアンチテーゼのようにも思える。「ジェダイの帰還」でのルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の「僕の家系はフォースが強い。父も持っている。僕もだ。そして僕の妹も。君も持っている」という台詞が流れていく。本来この台詞はルークがレイアに向かって言ったものだが、編集によりもう一人の、新しくスカイウォーカーの血を受け継いだ人物の存在を示唆しており、「帝国の逆襲」でのルークとヴェイダーの決闘で失われたはずの「アナキン・スカイウォーカーのライトセイバー」がその人物に手渡されるシーンも見られる。空中都市の奈落の底から回収されたのか、それとも形を似せて作られたのだろうか・・・。
コンセプトアートにもあったダース・ヴェイダーのヘルメットの残骸は、とうとう実物がお披露目されたといった具合。冒頭のスタ―・デストロイヤーの残骸と続けて見ると、銀河帝国がとことん衰退したことを象徴しているかのようだ。
ポー・ダメロン(オスカー・アイザック)がXウィングで飛び回るシーン、悪役カイロ・レンの姿もちらりと見え、レイ(デイジー・リドリー)とフィン(ジョン・ボイエガ)がともに危機を乗り越えていくというシナリオも予感させる。
新しくデザインされたストームトルーパー達も、今まで以上に鮮明な姿を見せた。赤い大きな旗の前に集結したトルーパー達は真っ白で無駄な装飾がなく、ツルツルでシンプルである。イラストに描いていて改めて感じたけれど、このフォルムは大変美しい。絵に描いていてストレスが無いというか、むしろ快感を覚えるくらいだ(その美しさが再現できているかどうかはわからないけれど・・・)。けれど、彼らは帝国に見えて帝国ではない。この予告編全体が、「スタ―・ウォーズ」なのだけれど、どこか違う、別の「スター・ウォーズ」に見えるように。一体「ファースト・オーダー」とは何なのだろう。
ラスト近く、砂漠に埋もれた巨大な宇宙船の、トンネルのようなエンジン・ノズルの中に、ミレニアム・ファルコンとそれを追うTIEファイターが入っていく。最初はこの大きくていくつもあるエンジンを見てなんの船だかわからなかったが、ぼくの友人が気付いたところによれば、これは「帝国の逆襲」に登場したスーパー・スター・デストロイヤーではないかということだ。確かに言われてみればこの巨大感はそうかもしれない。旧作に登場したスーパー級は「ジェダイの帰還」における決戦で撃沈されてデス・スターと激突し大きな火柱となったので、これは同型の別の船だろう。「ジェダイの帰還」から30年の間に一体どんな戦いがあったのか非常に気になる。スーパー・スタ―・デストロイヤーが撃沈されるくらいだから、このジャクーで行われた戦いは、帝国と反乱軍の戦いの行方を、帝国の敗退を決定づける重要なものだったのかもしれない。
ラストに登場するスマグラー・コンビについてはなにも言い添える必要はないだろう。実際に予告編が公開された会場では大歓声が起こっていたらしい。ハリソン・フォードは飛行機墜落事故での負傷のためか会場に訪れなかったが、その場にいないことがより彼に伝説的な雰囲気を持たせて、この予告編を素晴らしいものにしている。なんでこんなインディ・ジョーンズと見まがうような革ジャンを着せたのかどうかはわからん。