そうそう、ようやく免許を取った。
去年末に教習所を卒業してからずっと試験を放置してたんだけど、いくら期限が一年間あるといっても半年切ったらさすがに焦りはじめ、無理にでも行く日を決めた。試験場は全く馴染みのない駅から20分ほどバスで揺られた先にある広大な墓地のそば(あとで知ったがここはぼくの家のお墓があるところだった)にあって、勝手がわからずひどく緊張したけれど、すんなり試験は合格して、免許をもらった。
去年教習所に通い出してからずっとスケジュール帳を圧迫していた懸念事項が無くなってすっきりした。もっと言えば、高校を卒業するタイミングで取りそびれて以降、専門学校に通っている間もなんとなく頭の隅で重みを持っていた問題だった。なんだか会う人会う人に取ったほうがいいよ、なんで取らないんだ、バカじゃないの?と言われて来たような気がする(最後のはさすがにない)。とかく男というのは自動車免許の話となるとすごくうるさくいろいろ言ってくるものだ。無事取ったあとでも、ぼくはそこまでこれを万人にとって重要なものとは思っていない。ぼくは取りたいから取っただけだ。興味がない、価値を見出せないひとに無理強いする理由は一切ないだろう。
まあなんでもいい。とにかくぼくは取ったのだ。素直にうれしい。強力なパワーとスピードを扱う資格と、移動の自由というやつにはそれなりの責任がともなうが、資格は得たのだ。
あれから一週間が経つが、道を歩いているときに財布の中に免許があるのを思い出すと、道ゆく人にそれを言いたくなる。