2019/09/24

久しぶりのインク



久しぶりにインクで線画を描いてみた。色はいつも通りデジタル彩色。ほとんど似たような感じで描けるということもあって線画含めフォトショップでしばらく描いていたけれど、やっぱりどうも画面の中だけで作業が完結するのは疲れるところもあり、紙に触れる習慣は絶やさないほうがいい。うまく扱えずに諦めかけていたGペンも、久しぶりに触ってみて、全然イラスト向きじゃない万年筆用の薄いインクをつけて描いてみたら、これがなかなかスラスラ描けるではないか。どうも以前使っていたインクは濃度が高かったらしい。さらさらした軽めのインクだとうまくいくらしいのと、ペンの運びを立体的に意識するとうまくいくヨーダ。紙の表面になにかを彫りつけるような感覚、普通のペンではなく彫刻刀を扱うような気でいるといい。そういった立体的、物理的な感触は、不思議と手に心地よかったりもする。それにデジタル作業にはない緊張感もかえって集中を誘う。キータッチで元に戻せないのは不便で不安でもあるが、逆に偶発的な線を見つけることもでき、一見思ったように引けなかった線にもだんだん価値が出てきたりする。もちろんかと言ってデジタルで描くという行為の地位は低くなったりはしない。それぞれ一長一短である。絵を描くという行為自体に差はない。道具の違いだけである。というのを何度説明してもわかってくれないひともいる。なんにせよ、肉筆で描く習慣はデジタル作業の方にもいい影響を与えるだろうし、逆もあると思う。