2013/11/10

SPURの毛皮とエドワード・ゴーリー特集


 「SPUR」12月号に「ファーを着るなら、エドワード・ゴーリーのように」という大変興味深い特集が載っていたので初めて自腹で女性ファッション誌を買ってみました。すごい。男性誌より読んでいて楽しい。
 20世紀における(そして今も)偉大なるイラストレーター、エドワード・ゴーリーは生前毛皮愛好家として知られており、絵本の中にも彼自身と思われるひげ面の男が大きな毛皮のコートと足元はコンバースのスニーカーという出で立ちで登場したりします。この特集にはその独特の毛皮の着こなし方に着想を得たコーディネートやフォトグラフィーが掲載されていました。
 イラストレーションはもちろん、本人のポートレートでもお馴染みなので毛皮を着込んでいることは知っていましたが、足元がコンバースだったことは初めて知りました。実はイラストレーションの中でもなにやら白い運動靴のようなものを履いているのはわかっていたのですが、独特のデフォルメや絵柄のためなんだか貴族が履くテニス用の運動靴的なものか(なんだそりゃ)、あるいはブレードの無いスケート靴に見えていました。コンバースだったのね。なるほど、納得。確かにそう言われればコンバースだ。
さらに指には統一感のない指輪をごちゃごちゃとはめていて、描いている絵同様にすごく怪しげでエレガント、そしてまたちょっぴりうさん臭さのあるスタイルです。毛皮とコンバースって組み合わせ、すごいなあ。とにかく好きなものを着たり着けたりしたらこうなった的なスタイルがすごく良いです。最高に独特のスタイルは最高に素直。
 やはりぼくはエドワード・ゴーリーが好きです。この特集を読んで初めて彼が「生涯独身で猫以外の家族を持たなかった」ことを知りました。確か6匹の猫と築200年の家で暮らしていたはず。孤独のようで実は満ち足りた暮らし。バレエ観賞、レストランでの冗談話、実際は陽気な人物。会いたかったな。
 ちなみに晩年は動物愛護に傾倒して毛皮着用はやめたそうな。だから最後までトレードマークだったというわけではないみたい。本当は着たかったのか、やはりいろいろ思い悩んだのか、気になるところだけれど、最終的にはそういった理由で毛皮を着るのをやめた、ということはちゃんと書いておきます。