2015/07/16

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」感想


 全編カーチェイスのディストピア冒険物語とでも言いましょうか。スピード感が爽快であるとともに、余計な説明が無いというか、すんなりその世界観に引き込まれる。キャラクター造形も重厚でありながらわかりやすい。それでいていろいろと分析の余地がある楽しい映画です。3DIMAXという環境にぴったりの映画でした。またああいう設備で映画を観ると、映画がただ観るものから体験するものに変わりつつあることがわかる。映画体験とはよく言ったもので、この「マッドマックス」も、車と車のぶつかり合いによってはじけ飛ぶ火花や金属の破片みたいなものを無意識に頭を振ってよけたくなる迫力があった。顔をしかめて避けたくなったそのとき、いつの間にか自分が映画の中に入っちゃってることに気付く。
 ディストピアの未来世界というと、ぼくは強くなりすぎた政府が徹底的な管理体制を敷いてる世界を連想するのだけれど、政府なんてものが無くなっちゃって、秩序がすっかり崩壊しちゃった世界もまたディストピアなのだなあと思った。自由すぎる世界もまた危ないんだな。
 キャラももちろんだけれど、いろいろな改造車が出て来るのも楽しい。これまた子供の妄想みたいな車が出てきてヴィジュアルがすごすぎて笑ってしまうくらい。これは確かにレゴ・ブロックで再現してみたくなる。