2015/08/31

ウェス・アンダーソンと犬


 初めて観たウェス・アンダーソン映画は「ムーンライズ・キングダム」(2012年)。雨の日に観たものだから以来雨の日にぴったりの映画に自分の中ではなっている。ボーイ・スカウトがこんなに素敵なものだとは思わなかった。ぼくもボーイ・スカウトに入ってみたかったな(多分現実は違うと思うが)。ボーイ・スカウトの子供たちを使ってミリタリー的な雰囲気を表現するのも上手いと思った。健気だがどこか物騒なんだよね。でも可愛い範囲にうまあくとどまってる。
 犬があっさり、そして無惨に死んじゃうのはどきっとしたな。でもその後で「ザ・ロイヤル・テネンバウムス」(2001年)を観たらやっぱり犬があっけなく死んじゃうシーンがあって、さらに去年「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年)では猫が馬鹿みたいな死に方をしていた。猫はともかくとして、犬があまり好きじゃないのかなと最初は思ってたんだけど、あの扱いはむしろ好きなんじゃないかなとも思う。それに生きてる間の犬はとても可愛らしく撮られているし。犬好き監督として映画に犬をこれでもかと出しまくるティム・バートンとは愛情表現が違うんだな。いずれにせよ犬の死を経験するのは結構きつく、繰り返し映画の中で描きたくなるほどのインパクトが心に刻み込まれるのかもしれない(ほんとのところはわからないですよ。もしかしたらアンダーソンさん、ほんとに犬嫌いかもしれないし。ウェス・アンダーソンについての書物をまだ全然読んでなくてあの人のパーソナルなところをよく知らないから、いろいろ読みたいんだけれどね)。