CGアニメによる劇場版『クローン・ウォーズ』('08)を除けば、初のスピンオフ映画となる。ぼくがこれほどまでに『スター・ウォーズ』にのめりこんだのも、もとはと言えば小説やコミックからなるスピンオフ群が、大変奥行きのある拡張世界を形成していたからだ。そこには映画には描かれていない、けれど映画の世界観を補完するたくさんの「背景」があった。映画劇中では通行人に過ぎないエイリアンにも名前と物語があった。それは現実世界と同じだ。道行くひと全てに人生がある。膨大なスピンオフによって築かれたこの小宇宙はそれを再現しているかのようだった。だから、スピンオフを映像で、実写で観せてくれる『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は個人的にとても楽しみだ。
基本的な情報は図に書かれている通り。さらに最新の情報を加えるとすれば、この7月から大掛かりな「撮り直し」が始められたという。ギャレス・エドワーズ監督が今作を「本格的な戦争映画として仕上げたい」と公言していたことから、あまりにも戦争映画過ぎたのでSWらしいユーモアを追加するための再撮影だという噂も。ぼくとしては、せっかくのスピンオフなのだから普段のSWにはないものを観たいので、戦争映画的側面を強くしていても全然構わないのだけれど、バランスとは難しいよな。。。
今作は『エピソード3:シスの復讐』にてジェダイたちのほとんどが皇帝によって粛清されてしまった後、『エピソード4:新たなる希望』の少し前の時代が舞台。オビ=ワンもヨーダも隠居中だし、新たなる希望であるルークもまだ自分が何者かに気づいてはいないので、ジェダイ不在の世界だ。ジェダイが登場しない初めてのSW映画ということになる。
ぼくはジェダイの騎士にそこまで魅力を感じられないタイプなので(SWのアイコンとしての存在はもちろん認められる)、普通の人間たちがジェダイ抜きで戦うというコンセプトにはめちゃくちゃ惹かれてしまう。というか、本来銀河系の大半の人々はそうやって生きているわけで、彼らの物語がやっと観られるかと思うとうれしくなる。それにそういう物語があったほうが、シリーズ全体としてジェダイの存在がより神話性を帯びるのではないかなあ。
メイン・キャラクターや新しいストームトルーパーについてもいろいろ情報が出ているのでまたちょくちょくまとめます。