20170228

日記:2017/02/08 - 15

2017/02/08 水

 下手に忙しいなどと口走ると、そんなの忙しい内に入らないだとか、どんなに忙しくってもメールの返事くらい打てるだとか、忙しいなんて言うのは100年早いだとか、まあそんなことを言ってくる大人は多いのだけれど、忙しいもんは忙しいのだから仕方ない。忙しさや疲労に基準はない。ぼくが忙しいと感じていればそれはぼくにとって忙しいということなのである。あと、メールの返事くらい打てるというのに対して言わせてもらえれば、たとえメールを打つくらいの時間的余裕があったとしても、メール一通打つだけの心の余裕がない場合もある。電車に乗ったとき、トイレに入ったときに携帯電話からでも返事が打てるはずだ、と言うひともいるかもしれないが、ぼくはそんな、全ての時間なにかしてなくてはいけないと強迫されながら生きるのはご免である。というわけで今とても忙しい。

2017/02/09 木

 この日は昼と夕方に試写を観ることにした。前日の項で忙しい忙しい言ってるのだけれど、この日に観ておいたほうがスケジュール上都合がいいからである。『レゴバットマン ザ・ムービー』と『ムーンライト』の二本。昼間に前者、夕方から後者だった。極限までデフォルメされたレゴという様式は、実はモチーフのキャラクターについて説明や批評をするのにすごく効果的ということがわかっておもしろかった。『ムーンライト』はアカデミー賞でも『ラ・ラ・ランド』の対抗馬といわれているくらいの作品だけあって、とても味わい深い。簡単に触れるのがためらわれるのでまた別の機会で。
 二つの試写の間の空いた時間は、雪がぱらぱらと降る中ひとり秋葉原を散策した。久しぶりにひとりでやってきた。ひとりということは時間が許す限り好きにまわれて、存分に迷いながら買い物もできるわけ。中古で老オビ=ワン・ケノービの12インチ・フィギュアがあって、1800円だったし、最近はオビ=ワンに気持ちが寄っているので欲しかったのだけれど、結局やめてしまった。非常にみみっちい話なのだが、現金が少し足りなかった。こんなことでやたらとカードを使うのもよくないような気がした。きりがなくなってしまう。かわりに1000円以下で転がっていたカイロ・レンのお面(ボイスチェンジャー機能付き)を買った。最近になってようやくジェダイに惹かれ始めたものの、やっぱりカイロ・レンは放っておけないのである。
 映画を見終えて家に帰ってから、妻にこうこうこういうふうにひとりで迷っていたのだという話をしたら、あっさりと「それくらいカード切ればいいのに」と言われた。なあんだ。ぼくはちょっとした金額でうじうじ悩みすぎなのかもなあ。
 ところで外に出ているときに空いた時間をチェーンのカフェなんかで過ごせるようにとオートチャージ式のICカードを持たされているのだけれど、結局電子マネーが使えるカフェを探して歩き回っているうちに時間が潰れてしまう。この日もそうだった。以前パスモやスイカが使える店舗に入ったことがあったとしても、どの店舗もそうというわけではないので、お店に入る前にiPhoneでわざわざ目の前に構えているお店でICカードを使えるのかどうかをネット検索して調べるようにしている。そうじゃないと怖くて入れない。そして、だいたいそんなことは検索したところで載ってない。ぼくも一応なんとか考えることはできるので、駅前の店舗であれば交通系ICカードが使えるのではないか、前に使えたお店も確か駅のそばだったはずだ、と思い至って意を決して駅前のスターバックスに入るのだけれど、結局そこも使えなくて、うちでは使えません、と優しく言われたにも関わらずひどくショックを受けて落ち込んでしまう。ショックくらいならいいが、ぼくはたまにそれをものすごく拒絶されたように感じてしまってパニックになりかけてしまうことがある。
 スターバックスは好きで、俗に言われているような注文システムの難しさなんでちっとも感じたことはないのだけれど、電子マネーが使えるかどうかを心配すると、どこのコーヒー店だろうと、とっても敷居が高いものに思えてくる。コーヒー店どころではない、お金には変わりないものの、使えるかどうかわからないものを頼りに街を行くのは、とても途方に暮れる感じがする。

2017/02/10 金

 妻もああ言ってくれたので、用事のあとで昨日の秋葉原のお店に行ってみた。オビ=ワン・ケノービに夢中になったのは、多分オビ=ワンとレイの共通点をたくさん見出してその関係性を考えているうちに、オビ=ワンがシリーズの中心人物としての側面のあるということに気づいてからだと思う。いろいろと考えているうちにこの人物の魅力がわかってきた。今まで被り物をしたキャラクターにしか興味がなく、生身の人間キャラは主人公含め基本的に造形がつまらないものと決めつけていたのだが、年を取って初めてわかる魅力が出て来たりして、本当に飽きの来ない作品だなあ。
 ところがである。たった1日で老ケノービの90年代ハズブロ製12インチは姿を消していた。どこを探しても無い。ああなんということだ。昨日買えばよかったのだ。やはり見つけたときに買わないとだめなんだなあ。これでは気がすまないので、同じシリーズのボバ・フェットと、『ファントム・メナス』のときのクワイ=ガン・ジン仕様のライトセイバーを買った。
 こういうふうに買い物するのは楽しいけれど、なんの意味もない玩具を買い続けることに疑問を抱いている自分が背後にいたりもする。中古で、大した額にはなっていないのだけれど、それでも自分はこんなことをいつまで続けるんだろうとも思うのである。もちろん楽しい。ストレスも和らぐ。ただ、ぼくの中にある大人になりかかったもの、死に向かい始めている心、あるいはこんなことではだめだ、もっと高みへ行こうという気持ちが、冷めた視線を投げかけてくるのである。知識や客観性が素直さを殺し始めているのか。玩具を欲しがり続けるのと同じ貪欲さが、現状に甘んじてはいけないと警告してきているのか。なにを大切にすればいいのかわからなくなっている。自分がなにを大事にしたいのかがよくわからなくなっている。絵を描くこと、文章を書くこと、好きな映画やキャラクターを愛すること、品物を、造形を、形のあるものに愛着を持つこと。たぶんどれもぼくには重要なのだけれど、時折そのバランスが崩れてしまいそうで怖いのだ。自分で表現することができずに、買い物だけでしか愛情表現ができなくなるのではないか。物に依存しすぎているのではないかと。
 部屋にある物から圧迫感を覚えることは今もある。しかし、集めて来たものを、ほんの少し部屋を広く感じようとするために衝動的に手放す、なんていうことは、もうしないと思うし、したくもない。それはやっぱり、自分のいろいろなものを否定してしまうような気がする。ミニマリストには憧れる。彼らの生活はいかにすっきりしているだろうか。部屋は汎用的で均整が取れていて、無駄がない中にほんの少しの遊び心を残して趣味の良さを表現する。なんていう、それっぽいインテリアの本に載っているそれっぽい部屋の写真を思い浮かべる。でもさ、ぼくってそんながらんとした部屋に果たして住みたいだろうか?本当は本や品物で溢れかえった小さな図書室、私設博物館のような部屋で過ごしたいのでは?そこに集められているコレクションは、ぼくの気持ちを圧迫するものではなく、ぼくの知識や価値観の記録や記念と言えるんじゃないか。頭の中におさまりきらない、溢れんばかりのイメージや想いを、目に見えて手で触れられる形のあるものに託したからこそのコレクションなんじゃないか。なにより、ぼく自身も本来人間が生きていく上でそこまで重要じゃないものを作って暮らしているじゃないか。ぼくの仕事は装飾的だし、ぼくの作ったものもまた誰かのコレクションになり得る。そんなぼくが、ひとつひとつの物に価値を見出せないでどうする。一気に袋に詰めて捨てれば、そりゃあそのときはすっきりするだろうよ。でもね、あとできっと虚しい気持ちになるんじゃないかな。やっぱり、その必要がない限り、むやみに大事にしてたものを手放すべきではないんだな。持っていられる限り、物は持っていていいし、欲しいと思ったものは、素直に買ってもいいんだよ。忘れてはならないのは、このやや供給過多の世の中で、本当に自分が欲しいものを見極めることかもしれない。
 ボバ・フェットはこの時期のフィギュアにしてはわりとよく出来ているし、少し粗く見えるところは、レトロ・トイの魅力として見ることもできる。そしてクワイ=ガンのライトセイバー!緑色が綺麗で、サウンドや光も楽しい。持ってるだけでSWという感じがする。赤いライトセイバーよりも。そうそう、どうしてぼくが急に王道的なジェダイの騎士に意識が向き始めたか。それはまた改めて書くことにしよう。

2017/02/11 土

 土曜日でもしっかり朝起きられた。このところ熱心なのは部屋の整理で、前日に物を買う自分を肯定しはしたが、部屋がごちゃごちゃ散らかるのはよくないので、なにをしまい、なにを飾るか、そのバランスを見極めたり、本棚の中を調整しているのだけれど、これはわりと楽しい。特に本棚の整理は、これだと思う形が見え始めるととても気持ちが良い。

2017/02/12 日

 月曜までと言われている仕事を昼間に仕上げたので、わりとのんびり過ごした。日曜はなにもせずに完全に休むぞと新年から意気込んでいたのだが、どうも世の中の方がそれを許してくれないというか、逆に金曜までに全て済ませなければならない、というほうが自分を圧迫することがわかり、結局そのあたり適当になってしまった。ぼくは自分で設定したルールに縛られて思い悩んでしまうタイプなのだけれど、まずはそれをどうにかしたい。いろいろな意味でぼくは時間を好きに使える環境下にあるのだから、自由にやればいいんだよね。もちろん、ある程度決めることでメリハリはつくんだろうけれど。乗れないときは本当に乗れないし、やれそうなときはやれるもので。とりあえず締め切りさえ守っていれば大丈夫だろう多分。

2017/02/13 月

 特に書けることはなし。ひたすら描いている。今週はなかなか大変そうだ。

2017/02/14 火

 妻から『スター・ウォーズ』のチョコレートをもらう。棒にカイロ・レンやR2-D2、BB-8の形のチョコレートがついている。お腹も減っていたのでぺろっと三本ともたいらげたら、妻が驚き、一本くらい食べたかったと言った。

2017/02/15 水

 思ったのだが、これ毎日メモしておく必要ある?ないよね。また自分で作ったルールに縛られていたわけだ。一年365日分記録をつけてみよう、とは思ったが、なんにもない日はなんにもないし、事細かに書いていく気力もこう忙しいとねえ。その日の寝る前に書ければいいのだけれど、なかなかその習慣もつかないし、この形式の利点が損なわれる。
 というようなその日の出来事となんの関係もないメモばかり増えている気がする。