ポプラ社「asta」最新号では山内マリコさんの「あのこは貴族」(集英社)を紹介しています。ローカル少女の物語を書かれてきた山内さんの新作は、東京出身女子が主人公。帝都の上流階級に属し何不自由なく生きてきた彼女が出会ったのは、地方生まれの「都会の女」だった……。東京が地元ってどういうことなのか、都会と地方の境界が曖昧になり、その本質が姿を現します。普段疑問に思ってもなかなか言語化できずもやもやすることに、明快な言葉で答えをくれるのが山内作品の魅力のひとつ。装丁の影響でソフィア・コッポラのあの映画が観たくなる……。