「5歳からの哲学 考える力をぐんぐんのばす親子会話」(ベリーズ・ゴート、モラグ・ゴート/高月園子 訳/晶文社)で、カバーイラストと中の挿絵を描きました。タイトルの通り、親子で楽しめる哲学の本です。イギリスの現役小学校教師と大学哲学教授による共同執筆で書かれた本の、翻訳版。大人と子どもが一緒に考えることのできる内容です。難しいことを簡単に柔らかく、わかりやすく説明することのほうが大変なことですが、そのほうが本質に近いこともあります。余分な情報が少ない分、コアが見えてくる。というわけで大人がひとりで読んでも非常に興味深いです。
黄色いカバーがいいですね。イラストを引き立ててもらっています。黄色い本をどんどん作りたいですね。
挿絵も多いのでぜひ。動物やロボットなど、子どもが馴染みやすいキャラクターがモチーフになって、ちょっとした出来事、シチュエーションのお話に沿って、こんなときどう考えたらいいだろう?というような問答が用意されています。
それにしてもぼくはロボットを描こうとするとだいたい2-1Bとかアイアン・ジャイアントっぽくなる。
「SPUR」3月号(集英社)の映画レビュー連載では、ニコラス・ホルトがJ・D・サリンジャーに扮した『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』。サリンジャー生誕100周年にあてた映画で、人々の前から姿を隠してしまった伝説的小説家の半生を描きます。一切のノイズを遮断して創作に打ち込みたいという願いは、サリンジャーでなくとも作品を作るひとならわかるんじゃないかなあ。本の装丁にこだわり、イラストレーションによる説明を一切拒否しようとしたり、人付き合いを最小限にしたり、なにもない小屋に閉じこもったり、どこかこう、ミニマリスト的なものを感じる。極端だけれどね。
「婦人公論」2/12号(中央公論新社)でのジェーン・スーさん連載の挿絵。人生のところどころで生活が一変していく女性たち。全然別々のライフステージを歩んでいながらも、どこかで点と点が結ばれて協力し合えることもある。というところが伝わる挿絵になっていればうれしい。