2019/11/05

インスタグラムのDM

 インスタグラムはイラストや仕事のことを載せると同時に趣味の写真もアップしているのだが(趣味の方が圧倒的に多い)、最近はテキストをつけるのが億劫なのでノーキャプションで投稿している。ブログのように使う人も増えたと思うけど、個人的には写真主体のものなので下手に言葉はつけなくていいかなと思っている。なによりモバイルの端末でテキストを打つのが面倒くさいのと、文中にリンクが貼れないのも致命的に感じる(URL自体は書けるけど、シンプルなアドレスじゃない限りリンクも生きていなければコピーもできないURLを貼っても仕方がない)。まあ、普段のこのブログでもそんなにリンクを貼ったりはしないのだが。それでもなにか告知したりするときに不便だし、そういう理由もあってなかなかメインのポートフォリオページとしても使う気になれない。この際だから言うけど、イラストでも写真でも、作品を見せたいひとは母艦としてギャラリーページは別で持っておくべきだと思う。確かにインスタは手軽で広めやすいし反応もわかるけど、あれはあくまで出張所として使うべきで、サイトはインスタのみ、みたいのはあまりお勧めできない。と言って、ぼくがお勧めできなくたって大抵のひとには関係ないのだが。ただ、画質が低くなったり、画像の縦横サイズが制限されたりする仕様から考えても、メインのポートフォリオとして不十分であることはわかってもらえるはず。
 
 とは言え別に悪く言うつもりは全然なく、なにが言いたいかと言えば簡単に画像を流すツールとしては全然申し分ないのと、やはり視覚的なものというのは言葉の壁を越えやすいというのを改めて実感した。海外のフィギュアのフォトグラファーの何人かがフォローを返してくれたのはうれしく、やはりそれはぼくがスター・ウォーズのイラスト、特にスター・ウォーズのアクション・フィギュアのイラストを描いていたかららしくて、通じるものは通じるなあと思った。フィギュア写真を本格的にやっているわけでもなく、普段撮るものも別段おもしろくもないのだが、それでも絵を通してフィギュア写真を撮っているひとに興味を持ってもらえたというのはうれしい。なにか訴えるものを込められたのかもしれない。なにより普段一方的に見ているだけの相手が反応を示してくれるのはインターネットの醍醐味だと思う。視線を少しでも低くすると醜い応酬の絶えない世界だが、それでもまだ楽しさは残っている。残っているどころではない。これが本来で、本体なのである。初めてインターネットに触れてしばらく経つが、未だに驚きと感動は絶えない。

 十代の頃から見ていたSWのフィギュアのサイト、「Rebelscum.com」は初期から最新まで発売された全てのフィギュアの写真がアーカイブされている規模の大きいサイトなのだが、そこのフォトグラファーでもあるD・マーティン・マイアット氏がぼくのページを見てくれるようになった。彼は映画『マーウェン』のフィギュア撮影にも関わっていたので、このあいだSPURの映画レビューで描いた『マーウェン』のイラストも気に入ってくれた。これは雑誌かなにか?みたいな風に聞かれたので、日本の雑誌でイラストでレビューしたのですというようなことを説明したのだが、そりゃ知る由もないですよね。そこからはDMをもらって話が弾んだ。弾んだかどうかはわからないがいろいろと話した。最近は翻訳アプリの性能も上がって、それほど違和感のない英文がすぐ作れるから非常に助かる。もちろん思いつく限り自力でも打つ。おそらく片言の域を出ていないだろうけれど、それでも会話が成り立っているのでうれしい。同国人とも会話が成り立たないのにな。しかし、外国語を通すと言葉のやりとりとはなんと楽しいことだろうか。本当は母国語でもこれくらい楽しいはずなのだ。簡単に扱えるから雑になっているだけで。ぼくは言葉を今よりもっと時間をかけて考えていくべきかもしれない。ちなみにマイアット氏はぼくが田舎でブラウン管のパソコンモニターを通して彼の写真をぼけえっと見ていた頃、東京にいたこともあったらしい。件のサイトは全てのフィギュアの詳細を写真で見せてくれるので、手足がこれだけ動くとか、ヘルメットを脱がすとこうなるとか、そういうのが全部わかった。なのでアマゾンのページでよくわからないところはそこで確認して、購入を検討したものである。

 それにしても皆インスタのDMをよく使うんだなあ。SPURで前に紹介した『エイス・グレード』でもティーンたちはインスタDMでコミュニケーションを取っていた。おそらくこちらでのLINEくらい使っているらしい。当初劇中ではフェイスブックのメッセージ機能を使う予定だったところを、主演の子にそんなの今誰も使ってないっすよと言われて変更したのだとか。しかしそれも今に古くなってしまうのが世の常である。とりあえず今は楽しい。見ず知らずの外国人にもばんばんDM送るくらいの勢いは見習いたい気もする。コメントやDMをくれたひとはほかにもいるのだが、それはまた今度話そう。