超ビッグな映画シリーズなのに人に勧めづらいことこの上ない、でお馴染みの「スター・ウォーズ」。特にビギナー泣かせなのは公開順と時系列の関係で「一体どれから観ればいいの?」は一番の疑問だと思うので、ここはひとつ絵も交えてできるだけわかりやすく説明してみたいと思い、このような図を考えてみた。これがベストとは思わないし、もっとわかりやすい図案があるかもしれないけれど、ひとつ参考になれば幸いです。
ファンによっては公開順で観るか時系列順で観るかで意見が分かれるそうなのだけれど、これから観ようという人にとっては大事なファーストコンタクトである。もう二度と初見の気持ちに戻ることができないファンのひとはビギナーに対しいろいろなことを言ってくるかもしれないけれど、まずは余計な知識を入れずに公開順で観るのがいちばんだと思う。社会が実際にSWを観た順番がそれなのだし、それでなんら不都合は生じないからだ。
と言うのもぼくの知人が初めてのSW体験を時系列順に挑んでしまったのだ。前日譚のプリクエル三部作が後年つくられて、これで綺麗に6部作の時系列が出来上がったから、その見方が物語上綺麗な見方なのではないかと思われるかもしれないが、そうとは限らない。「エピソード1」は第一話にあたるとはいえ、結局は「すでにSWが認知されている世界」でつくられている以上、予備知識がどうしても必要になる。プリクエル三部作というのは「昔はこんなかんじでした」という過去篇なのだから、オリジナル三部作を知った上で観たほうがいいというわけ。
プリクエルから観てしまうことの、なにが一番問題だろうか。件の知人にとってそれは「ハン・ソロ」の存在だった。プリクエルでは銀河共和国とそれを守るジェダイ騎士団側の視点がメインとなり、主人公もその体制の中枢に身を置いていた。また共和国を崩壊させ帝政のはじまりの原因となる銀河規模の全面戦争「クローン大戦」も主な舞台となることから、プリクエルは話のスケールが大きい。そこで旧三部作に移ったところで突如登場する宇宙海賊(体制の外にいる)、ハン・ソロの存在はなんとなくちゅうぶらりんになる(少なくとも件の彼はそう感じたらしい)。ハン・ソロといえば主人公すら食ってしまうSWの「顔」のひとつのはずだが、観る順番が違うだけでこうも印象が違うとは。ぼくも改めてなるほどなと思った。
プリクエル三部作は体制側の物語で、文化が栄華を誇っていた時代の物語。オリジナル三部作はそれらが滅びさったあとの、言わば「若者たち」の戦いを描いた物語。それはもうそのまま前者が親の時代を、後者が子の時代を描いたものと見ることができるわけだ(アナキンとルーク親子に限らず、広い意味での「親子」)。子(自分)の時代の物語を知っているからこそ、親の時代をあとで知ると興味深いのではないだろうか。もちろんそこには「えー、昔こんなだったのお?」という微妙な気持ちも含まれるのだろうけれど。
そして、今やその「子の時代」すら親の時代になりつつあり、ようやく「孫の時代」を描いた新作がお披露目されるというわけです。
長くなりましたが、ぼく個人としては、公開順に観ることをおすすめします。