2016年11月28日

日記:11/19 - 27

2016/11/19 土

 驚くほど寝ていた。夕食は牡蠣と鱈と海老でお鍋にしてもらった。牡蠣はとても好きだ。たくさん食べた。

2016/11/20 日

 毎年この本格的に寒くなってくる時期に少し憂鬱になる。深夜まで起きていれば尚更。持ち前の冷え性で足先が冷えきって節々が痛い。
 自分のことを正当に評価してくれない人と無理して関わる必要はないよなあと、何度目かわからないが思い至る。ぼくのひどく歪んだ承認欲求はそうした、全く自分を認めてくれない人たちとずいぶん前から無理して接する中で培われたのではないか。いや、自分の性格の欠陥を他人のせいにするのはどうかと思うが、でもそうしてしまうととても楽なんだよね。いずれにせよ「他人」が非常なストレスになっていることは間違いない。認めてくれない人たちを見返してやりたい、などというくだらない動機がつねに奥底にあるような気がする。そんなものを原動力にして良い創作ができるだろうか?負の感情をエネルギーにするやり方ももちろんあるだろうけれど、取るに足らない他人のことを頭のどこかに置いて、そいつに見られることを前提になにかを作るなんて駄目だよね。
 これからはもっと自分の小宇宙を維持することに努めないといけない。

2016/11/21 月

 月曜日になると自分以外の世の中がしっかりと動き出してしまい、置いていかれた気分になる。仕事でまだ本になる前の原稿の束、ゲラを読んでいるのだけれど、その形態上普通の読書のようにははかどらない。
 友達からクリープの存在を教えてもらい、買って来た。この季節になるとココアが飲みたくなる。ココアはお湯で作ることもできるけれど、断然牛乳で作ったほうが美味しい。しかし我が家では妻が常に大量の牛乳と豆乳を飲むため、ぼくも牛乳を決まった量飲むとなると牛乳代がかさんでしまう。妻の牛乳を飲む勢いといったら、キャットウーマンに変貌する直前のミシェル・ファイファーがパックごとミルクをあおって口元から垂らすあのシーンくらいの勢いがある(嘘)。
 クリープは牛乳そのものじゃないし粉ミルクでもないがココアを飲む際の助けとなる。お湯だけで溶かしたココアよりずっと良い。コーヒーにも使える。いいことを聞いた。この手のものにはてんで興味がなかったのでまだまだ知らないことがたくさんある。
 先日の『ファンタスティック・ビースト』鑑賞の影響か、『ハリー・ポッター』をいちから読み返したくなっている。小学生のときよりは時間をかけずに読めるのではないか。実家からハードカバーを取り寄せようか。そのためには本棚のスペースをまた空けなければならない。

2016/11/22 火

 犬のMRI検査をしてから2週間経ったのでまた医療センターに。ホルモン検査の結果も結局異常なしであった。顔の麻痺以外はいたって健康。そうそう、きれいに刈られたお腹の毛はまだ生えず、ピンク色のお腹は妙に暖かくて柔らかく、よく触っている。優しくもむと恍惚とした表情でそのまま寝息を立てたりするからたまらない。
 顔の麻痺についても特発性、突発性であろうと見なされ、様子見ということになり、通院する必要もなくなった。どうやらこの2週間でまぶたも下半分は動くようになったようである。耳もほとんど普通に戻り、口元はまだ反対側に比べると目一杯吊り上がらないようだがだいぶマシになった。改善傾向にあり、これ以上悪化することはまずないだろうと言われた。
 犬のためとはいえ病院に行くというのはどうしても1日仕事になってしまう。帰りに所沢の航空公園に立ち寄り走り回らせた。よく整備され、日当たりもよく、綺麗な公園。うちの近所とは大違いだ。あそこはジメジメした雑木林のようだし、我が物顔のランナーに気を遣って歩かなければならない上、愛犬を過信した身勝手な飼い主がノーリードで犬を放し飼いにさせているかと思えば、公園のど真ん中で思い上がった飼い主たちが一列に並んでいわゆるドイツ式訓練をしたりしていて(中年の女性がヒステリックに叫びながら自分のラブラドールをひっぱたいているのを何度か見かけた)、夜になると子供たちが限られた時間を少しでも楽しもうと不毛な語らいをしている。芝生はろくに手入れされずほとんど野っ原だ。最悪だろう?
 明日は『ファンタスティック・ビースト』の公開なので、感想記事を作ることにした。公開前に観せてもらっているからには、公開のタイミングや上映期間中に作品についてアピールしたいところ。

2016/11/23 水

 実はこのあたりから風邪をひいたり、持ち前の要領の良さで深夜まで仕事をしたりしていたので1日の出来事のメモを付け忘れていた。よく思い出そうとしても特に家で仕事したり本棚の中のフィギュアを並び替えたりしかしていないので特筆することはない。先週いっぱい試写を入れていたから今週はセーブしておいてよかった。寒すぎてとても出かける気になれない。
 本の装画の準備とか、雑誌のカット、ある映画への宣伝用のコメントを書いたりした。この映画への一言コメントというのは初めてだったのだけれどちょっと難しかった。絵無しで純粋に言葉だけとは、ちょっと恥ずかしいところがある。

2016/11/24 木

 朝から雪が降った。完全に風邪を引いた。鼻と喉から来ている。何もする気にならないが描くものはいくつかあった。犬も丸まって寝ているだけで動く気がないらしい。例によって足先が冷えきっている。あとはなんだったかな。寒かった以外のことを覚えてない。
 そう、実家の母に電話をして、部屋に残してある『ハリー・ポッター』のハードカバーを送ってもらうよう頼んだのだった。ついでにティム・バートンの新作についても話してあげた。最近のバートン映画にはテレンス・スタンプが出るんだよと教えたら、まだ生きてるの!と驚いていた。ひどい。わからないでもないが。
 思えばバートン映画には銀河共和国の議長がふたりとも出てるんだなあ。

2016/11/25 金

 妻に『ファンタスティック・ビースト』を観て欲しかったから、一緒に映画館に行こうと思っていた。あわよくば映画館のそばにあるトイザらスでのブラックフライデーのセールでSWのトイを見ようとも思っていたが、結局家にいることにした。ぼくは風邪がひどくなってきたし、毎週のようにおもちゃを買ってもいられない。どこかで止めなければきりがない。もともとは特に好きなキャラクターだけ、特に昔のものをどこかで見つけたら、という方針だった。投げ売り目当てに出かけてもいられない。SNSの普及は外国人の風習を隣人のそれのように感じるほど身近なものにしたかもしれない。去年もこの季節にアメリカのオタクのにいちゃんたちが特価のフィギュアをインスラグラムで自慢するのを羨ましがったものだ。以前はこの国でもあったらいいのにと思ったものだが、いざ身近なところでそのセールが始まってみると、そもそもの感謝祭もすっ飛ばして軽薄すぎるという感想を抱くばかりだった。商売のためによその祝日をも盗んでくるのはぼくらの得意とするところだ。そのくせホリデーであるはずの期間も働き続けるのだから奇妙だね。
 出かけないかわりに、予ねてから考えていた大幅な模様替えをやってみた。寝室とぼくの書斎(書斎だってさ。アトリエよりはマシだな)をそっくり入れ替えるのだ。妻曰く、ぼくはもっと奥まった部屋で仕事するべきなんだとか。要するにテレビから離れた部屋がいいというわけ。ぼくもそう思う。
 この小さい部屋の中で引っ越し作業をして実感したのは、ぼくが部屋に大してかなり大きい家具を持っているということ。部屋が古いのだからしょうがない。まだ日本人が土手の斜面に掘った穴みたいなところで生活していた時代において、最先端だったような部屋と言えばいいだろうか。とにかく狭い。ぼくの持つ二大家具、仕事に使っているカリモクの学習机と、本棚やコレクション陳列用に使っているカリモクの食器棚は、この部屋においてまるでイウォーク族のツリーハウスに宇宙船を運び込んだかのような異彩を放っている。特に本棚として使っている食器棚の方は上部と下部に分解できるとは言え上に乗っている棚のほうはガラス戸が三枚ついて背も高いのでぼくひとりで下に降ろすは無理で、妻と一緒に降ろしても今度は運んで移動先の部屋で持ち上げて再度組み立てるということができなかった。なので今新しくぼくの仕事部屋となったこの部屋でそれは二つに分解されたまま置かれている。これはこれでも良いがやはりアンバランスな印象。友達か弟を呼ぶ必要がある。
 そのほかは特に問題なし。せっかくなので机を窓辺に置いたが、外の冷気がひんやりと入ってきてとても寒い。だが頭上にエアコンがある。

2016/11/26 土

 この日は妻とどこかへ出かけようと思っていたのだけれど、ぼくの風邪の具合からにぎやかなところにわざわざ出ずに近場に兼ねてから必要だったものを買い行くことにしようということになり、池袋へ(十分にぎやかなんだけれどね)。
 来年の手帳と欲しかったバックパックをチェックして、犬の散歩用にヴァンズのスニーカーを買った。昨日の模様替えにともなって必要になったラグも買った。少し前から切れてしまった蛍光灯も4本買った。ダイニングの灯りはしばらくたった一本の、それも弱々しくなった蛍光灯で照らされていたのだから、気分も暗くなるというものだ。取り替えて見たら恐ろしいほど明るくなった。目がつぶれそうだ。
 夜はレゴ・ブロックを組み立てた。友人に不要になったレゴを大量にもらって一年以上経つが、いくつも製品モデルを組めるはずがなかなか暇がなくてまだまだ組み立てられるものが残っている。だから最近は説明書を見ながら製品モデルを組むので精一杯で、子供の頃のように衝動と思いつきで組み立てたりして遊ぶことはなくなった。映画『レゴ・ムービー』はそんな、つまらない大人的行為をも肯定してくれたからうれしかった。けれど、たまには製品モデルをばらしてなにか思うものを作りたい。ほんとはなんでも作れそうなのに、気力が湧かない、技術が追いつかないというのはもどかしい。

2016/11/27 日

 風邪の具合はと言えば発熱がないのが救い。今がピークかもしれない。雨で余計に冷える。だが新しい仕事部屋はラグも敷いてあって暖房も効くから助かる。週明けに必要なラフを描きあげた。J・K・ローリング本人が書いた魔法界の設定を読む。ファンタビの舞台である北アメリカ魔法界の歴史から、その魔法学校イルヴァーモーニーの創立についてまで本当に丁寧に書かれている。やはりローリング女史は設定好きだ。創作のもっとも楽しい部分を思いのままって感じ。楽しそうだ。彼女のようなひとがひとりでせっせとこれを書いていると思うと、それだけで素敵だ。
 ぼくの思った通り、非魔法族の戦争に魔法族も参戦しているらしい。第一次大戦ではアメリカの魔法使いたちも参戦し、同盟国民を救い、敵国の魔法使いを倒したようだ。あくまで現実世界の中に魔法の世界がある。これが魅力。