2018/11/18

ヴェイダーの高い城

 『ローグ・ワン』に出てくるダース・ヴェイダーの城を見たとき、自分の中にある要塞に似ていて驚いた。自分の中にある要塞ってなんだよとお思いだろう。孤独を感じたときに心理的にとじこもる心の要塞のことである。おさびし山の上に建っている。おさびし山は話すと長くなるから置いておいて、とりあえずぼくが思い描いている心の要塞というのは、ちょうどああいう、オベリスクのような無骨な塔だった。ヴェイダーが余計な装飾を好まないだろうというのは想像できるけれど、なるほど、寂しいやつっていうのはもしかすると暮石のような建物にこもりたくなるのかもしれない。別に格好つけようというわけでもないが、誰にも会わずああいうところに閉じこもってみたくなるときがあるんだよ。あんな火山の中に建ってるとあったかそうだし(ヴェイダーの登場シーンはお風呂上がりだった)。

 寂しさっていうのにもいろいろ種類がある。まず本当に独りで暮らしているときの寂しさ。すぐ思いついたときに話しかける相手のいない寂しさ。でも、家族や友達が身近にいても感じる寂しさというものも、もちろんあるんだよ。どれだけ周りにひとがいたって、思っていること感じていること考えていることをちっとも共有できなきゃ、とても寂しい。そういうのも孤独だと思う。自分の感じていることをうまく説明できるほどの言葉を、ぼくはまだ持っていない。わかってくれないなら、こっちにも考えがある。というわけで、要塞にこもりたくなるわけだ。ずっとじゃない。実際にこもるわけではないから、ちょくちょく中断しなきゃいけないし。わかってもらえないという苦痛が続くようなら、ちょっとの間引っ込んでひたすら内省の時間を生きる方がいい。そうすると少しは回復する。そうでなきゃ回復できない。こうしてブログを書いているあいだは全く他人と関係なく書いているから、良い。誰に向けるでもない書き物は瞑想のようである。呼吸が浅くなるのが考えものだ。