2018/11/28

『ハン・ソロ』のひとたち

 『ハン・ソロ』のブルーレイを見返しているうちに好きなキャラがどんどん増えたのでどんどん描く。この感じでほかのエピソードのキャラも描いていったらとても楽しそうだ。SWのキャラばかり描いていていいのか、と自問していたが、描くのが楽しいならそれでいいはず。これに関してはモチーフそのものよりは、線や雰囲気をアピールできればいいと思う。


 ベケット一味のパイロット(兼料理番?)、リオ。4本腕のお猿。声を当てたのはジョン・ファブロー。軽口でいいキャラだったけど、猿キャラをチューバッカに譲るためかいちばん最初に死ぬ。ティーザーポスターとか、レゴなどの玩具ではこの絵のように青い体毛が首回りを覆ったデザインだったけど、映画本編ではこのあたりはすっきりして、もっと毛足が短くて毛色も暗い見た目になっていた。玩具メーカーに前述のデザインが渡されている感じから、おそらく直前で変更になったと見る。理由は知らない。


 帝国軍のズザナ・ラット伍長。ほとんどはっきり映らないキャラで、「その場にいた」くらいのひとだけど、劇場パンフレットではバストアップ写真と名前が載っている。スタイルがいい。オリジナル三部作だと帝国軍のユニフォームはもっとよれよれで着ているひとたちもあんまりスタイルよくないんだけど(あくまで垢抜けない悪役という感じ)、新作の帝国軍はかっちりきっちりしている印象。ズザナ・ラットを演じるのはイギリスの女優兼ダンサー兼モデルのズザ・テハヌ。綺麗。モブキャラは演者の名前を少しいじってキャラ名になることがあるから、いいなあ。上下ともに印象的な名前。なんとなくだけど、イギリスのガチの英語の地名とか苗字て、アメリカの英語とはまるで違う独特さがある。スコットランドの地名とか全く読めない。


 惑星コレリアでハンをはじめ孤児たちを囲っていたギャングの一員、モロック。ボスであるレディ・プロキシマ(こいつもかなりすごい見た目だったので描きたい)に仕えているわけだが、ジャバ・ザ・ハットでいうところのビブ・フォーチュナみたいなものか。ビブと違うのは、逃げ出したハンとキーラを追いかけて自らトラックを運転する行動派なところ。あのトラック・スピーダーの無骨さもよかったな。ちなみにこいつが放つ猟犬クリーチャーは、本物の犬が着ぐるみを着て演じている。EP4のバンサ方式だね。本物の動物が演じるからすごく説得力のある動きをする。ところでモロックはMolochと書くんだけど、これは古代中東の神モロク(モレクとも)と同じスペル。豊作の神にして人身御供の儀式で有名で、牛や山羊などと一緒に人間の赤ちゃんを生きたまま焼いて捧げるらしい。なるほど、だからモロックは孤児たちをこき使っているのかもしれない。杖の持ち手にはおびただしい数の人間が合体したレリーフになっているのも不穏。人間が優位に立つ帝国の支配下で、こういう杖を持って(なんならこの杖で宇宙港にいたストームトルーパーを威圧する。コレリアでかなり影響力のあるギャング団とあって、帝国軍もおいそれと手出しできないようだ)闊歩するあたり、人間に対してなにか恨みでもあるのかもしれない。頭部を覆うこの白い蛇腹やマスクが幼虫みたいでいい。


 列車強盗の際に列車を守ろうとする特殊ストームトルーパー、レンジ・トルーパー。分厚い防寒着に毛皮、ごつい磁力ブーツを身につけたごちゃごちゃ感がおもしろい。ストームトルーパーがムートンコートというのもいい。彼らはこんな大げさな装備でやっと列車の上でバランスを取っているのに対し、ハンたちは特別な装備のない軽装でひょいひょいと動き回る。ところでクローン・トルーパーの足の裏にも磁力パッドの設定があったような。まああれは申し訳程度の補助的なもので、これはもっと本格的なものなのだろう。足を接地させたときと、離したときとでランプの点滅が変わるんだけど、ちょっと『ゴースト・プロトコル』を思い出すね。そもそも列車の上でやりあうのも『ミッション・インポッシブル』だ。これ、もっと機動性が高ければスター・デストロイヤーやデス・スターの地表でも活動できそう。宇宙戦の中じゃすぐやられちゃいそうだけど。小惑星の表面で作業するときにも使ってそう。