2018/09/01

営業報告

■ ケトル VOL.44(太田出版)


 ゼロ年代音楽を振り返る「ケトル VOL.44」(太田出版)、「ゼロ年代の日本の音楽業界を振り返る10のキーワード」というページにて多数カットを担当しました。音楽には疎いぼくですが、ゼロ年代はぼくのティーンエイジと重なるので、なんとなく懐かしいものも多いです。


 子どものときはiPodなんてとても手の出ない夢のガジェットだった。最初はホイールのところにこんなにボタンがあったのか。


 高校にあがると背伸びして「ローリングストーン」誌など読むようになり、フェスに持っていくアイテム特集などよく見た。行かないのに。今でもフェス特集によく登場する、そこまで本格的でないちょっとオママゴト感のあるキャンプ用品とか見るのは好き。いや、本格的なものもあるだろうけど。なんか、ブーニーハットかぶってるひとばっかりになっちゃった。


 着うたの項目にこういったカットを描くにあたり、折りたたみ式携帯電話を調べていたら、なんかやっぱり「来ることのなかった未来」(未来は未だ来ずと書くのでなんだか意味が重複してる気もするが)感が溢れてたなあと思う。発光する小さな画面の中にぎゅうぎゅうに詰まったツール、デジタル表示、都会の早朝、宇多田ヒカル、そういうイメージ。
 シンプルな板状で全体が画面になっているだけの今の端末よりも、いろいろな形状があるのも楽しい。触れる立体感というか、モノとしての存在感がある。ボタンが触れるのも安心する。メディアスキンにちょっと憧れてたな。


 ボーカロイドなんて描くのは非常に久しぶりで、しかも仕事で描くことになるとは。自分の雰囲気でかわいく描けたと思う。初音ミクの発売は確か2007年頃だったから、もう感覚的には半分10年代に入ってる。


■ SPUR(集英社)



 「SPUR 10月号」ではシャーリーズ・セロン主演『タリーと私の秘密の時間』を紹介しました。赤ちゃんが身近にいるせいか、赤ちゃんの絵が少し上手に描けた。三人の子を産んだあとのお母さんを演じるためすごい増量をしたセロンの姿は話題でしたが、お話もなかなかすごいです。


■「婦人公論」(中央公論社)



 ジェーン・スーさんの連載、今回はフランスのお話。日仏の違い、そしてどこの国も変わらないこと。ということで、この並び。
 最初は雷門じゃなくて鳥居にしようとしていたが、凱旋門が特定の場所にある「凱旋門」であるのに対し、鳥居は特にどこの、というイメージがない上、なんだかずっしりした凱旋門に対して線が細すぎやしないかと思って悩んだ結果、雷門を思いつく。大きさは違うだろうけど、結構同じくらいの存在感あるんじゃないかな。
 いまどきパリジェンヌの格好がベレー帽にボーダーなのはご愛嬌。そもそも個人的にはブロンドより黒髪のイメージがあるが、絵的には、ね。少し「イッツ・ア・スモールワールド」的な感じも出てよかった。ステレオタイプ的表現には多少気を配りたいけど、こういういろいろな国のひと、みたいな絵をもっと描きたいな。


■ 通訳翻訳ジャーナル(イカロス出版)



 前にもカバーイラストを描いた「通訳翻訳ジャーナル」。脱サラして翻訳者になるには、という特集のカット。「会社を辞めて翻訳者になろう!」の見出しがちょっといいですね。