2018/09/17

瑞丸、レゴランドに行く


 夏らしいことなどひとつもせずに終わったが、唯一それらしかったのは7月下旬にレゴランドに行ったくらい。名古屋に仕事で用事があったので、いい機会だと思ってちょっと空いた時間に立ち寄った。2、3時間寄っただけだけど、とんでもない暑さだったのでそれくらいでちょうどよかったかも。広さやボリューム的にも、2時間だと物足りないけど5時間いたら手持ち無沙汰になりそうな感じだったので、ちょうどよかった。

 夏休み初日かその翌日くらいのタイミング、家族連れか外国からの観光客ばかりだったので、独りでまわる男はどうしても浮いていたと思う。だんだん流行ってきているらしい独りディズニーランドをやりたくてしょうがなかったけど、それより先に独りレゴランドデビューとなった。いろいろな楽しみ方が確立されている大御所のテーマパークと違って、まだまだ普通に複数人で行くところのようだ。日によっては独りでまわっているレゴ好きのひともいそうな気がするけれど。
 

 アトラクションはちょっとしか乗ってなくて、どちらかというとこのジオラマをメインで見てしまった。日本各地がブロックで再現されている。名所がぎゅっと凝縮されているんだけど、全部細かく見ていくとだいぶ時間がかかる。レゴランドといえばこのジオラマパーク、というイメージが子どもの頃からあったけど、実際に見てみるとだいぶ日に焼けて変色しているところも多い。そりゃそうだ。特にこの日はすごく日差しが強くて、見ている間にも色褪せていきそうだった。雨が降ったら濡れるだろうし。メンテナンスが大変そうだ。
 

 早朝の新幹線に乗ってやっと名古屋に着いたのにまた東京の景色を見るというのは微妙な気分だったけれど、よく出来ていますね。


 お台場のガンダムを独自デザインのロボットで再現。確かそばにあったボタンを押したら動いたような。道路の車は結構このボタンとかハンドルで動かすことができて、街の雑踏やお祭りの音などが出る。


 東京エリアもそうだったけど、実際にある広告やその位置関係の再現度が高い。提携している企業はそのまま作り、そうじゃないところは少し名前をアレンジしたり(渋谷のTSUTAYAはTSUBASAに)それっぽいものにしている。それっぽいものでリアルな景色を作るというのは、イラストを描いている人間としても結構参考になる。むしろ実際の看板をそのまま描くより芸があるかもしれない。


 グリコの看板もミニフィグの絵にしたのだからこういうのもミニフィグにすればいいのに、と思う。細かいとは思うけどレゴの世界観ぽくない。「BISHIE」というのは「BISHONEN(美少年)」を指す英語ネットスラングだそうだ。右のピンクのところにある字はよくわからない。「GUCAR」と読めると思うんだけど調べてもヒットしない「SUGAR」の間違いかな。BISHONENがBISHIEなら、美少女はどうなるんだろう。 BISHOまで同じだが。


 路線バスは別として、車はだいたい特定の車種を意識してなかった気がしたけど、土地柄かこのトヨタ車はよく登場した。どれか一台は前述のようにボタンを押すと動いた。



 富士山を中心にありがたい建物が大集合してかなりありがたい景色に。富士山はブロックではない。



 こういうのはさすがにちょっと。これくらいはレゴらしいキャラクターでよかったんじゃないかなあ。愛知出身の友人によると、こういうところが名古屋っぽい、らしい。ただ、版権キャラの処理の仕方は勉強になった。配色で連想させる一方で、明確にそれを作ってはいない、という微妙なライン。ニセモノというのは奥が深い。



 ジオラマをじっくり見ているだけでだいぶ時間が過ぎて、強い日差しと容赦ない暑さの中で細かいものをじっと見ていたせいか、途中何度か意識が遠くなり、ぼくはこの大量のブロックに囲まれて死ぬのか、と思った。


 レゴの定番、海賊船。森見登美彦氏の「太陽と乙女」カバーにも描きましたね。ディズニーシーの帆船と同じく中に乗れる。あそこまで広くはない。

 アトラクションはドラゴンのコースターと、サブマリンに乗った。ドラゴンは小さめのコースターなんだけど、これが結構怖い。王国シリーズ(騎士シリーズとも)でお馴染みの緑色のドラゴンの形をしたカートのおもちゃ感が頼りない感じなのだろうか、余計に怖く感じた。ぼくの体が大きいせいもあると思う。先日の台風直撃でこのドラゴンは一部壊れてしまったらしい。前述のジオラマもいくつかやられたとか。レゴは永久にその形をとどめてはおけないのか。
 サブマリンの方は、やはりレゴではお馴染みの黄色い潜水艇で海底を探検するという体で、ディズニーシーの「海底2万マイル」に近いんだけど、こちらは船窓の外を本物の魚が泳いでいて驚いた。水族館と提携しているので、潜水艇で大きな水槽の中をゆっくり進んで行くというような形になっているのだ。魚の種類も豊富で、普通に水槽越しに見るよりも距離が近いように感じておもしろかった。一緒に水中にいるような目線。これは絶対乗ってほしい。


 日曜の夜によくやっていた、はごろもフーズの缶詰コーンのCMを思い出す。ずっと見てると気が遠くなる。

 自分で部品を組み合わせてミニフィグを作り、それを買えるコーナーがあちこちにあった。部品はだいたい同じような感じだったけど、結構おもしろいものも多かった。子どもに混じってやっていると、欲しい部品を見つけた途端に横の子にかき混ぜられるよ。


 これもまた気が遠くなるが、レゴはこれくらいめちゃくちゃなごちゃまぜになっている方がそれらしい。かき混ぜているうちに元々探していた部品がどんなだったかわからなくなり、がしゃがしゃ言う音に酔ってきて一種のトランス状態に陥る。それがレゴ・ブロック。全てはサイコー。