2018/10/12

机上の空間

 机の上はできるだけすっきり、広めに使いたい。ただ、ぼくが初期の収入で買ったカリモクの机というのが学習机タイプで、両脚が天板の上まで突き出して、そこに天板と同じ横幅の棚板が渡されているという、棚付きのもの。棚板の縦幅は天板の3分の1くらい。棚板の裏側には溝があって、そこにブックエンドの金具をはめ、本やノートを並べられるというわけだ。写真を載せれば早いのだけれど、せっかくなので文章だけで説明した。伝わってるかどうかは気にしない。さて、これを買ったときはまだぼくの愛機というやつはMacBook Proだったので、コンピューターを棚板の下まで押し込んで、その手前の天板スペースを十分に取って作業ができた。当時は仕事にも水彩絵の具を用いていたので、天板のスペースはある程度必要になるし、フォトショップで作業するにしてもコンピューターの手前にペンタブレットを置かなければならないから、それくらいの場所が要る。やがてMacBookが壊れてしまうんだけど、電源系がおかしいのはわかっていたので、修理に出そうかと思ったのだが、結構使い込んだし、修理している間仕事ができない、どうせなら新調したらどうか、ということで21.5インチの4KディスプレイのiMacを買った。思えばMacBookの13インチとかの画面でよく絵を描いていたものである。急に大きな画面になったときは結構な衝撃だったけど、なにより眼も首も肩も楽になったのがよかった。ただし、iMacは机の棚板よりも背が高いので、前のように棚板の下に置くことができず、天板上のスペースが取れなくなってしまった。画面を左右どちらかに斜め向きに置いたりもしてみたが(昔パソコンが大きかったはそうやって置いていたよね。Xファイルで見た)、どうしても身体の正面にないとやりづらい。集中できない。疲れる。それでしばらくずっと棚板よりも前の真ん中に置いて使っていた。ペンタブの置き場所はギリギリ、天板上の残されたスペースでは大きめの紙を広げることもできないので、自然大きな絵は描かなくなった。A4用紙縦向きでいっぱいな感じだもん。机の上でアナログ作業のスペースが取りづらかったのが関係しているかは微妙だが、そうこうするうちに作業工程のほとんどをデジタルに移すことに。スペース取る必要はなくなったが、しかしどうも画面が近いような気がする。威圧感がある。これ、もっと奥に置いたほうがいろいろすっきりするんじゃないかなあ。そうだ、棚板を外せばいいんだ。棚板だけを外しただけでも全体の強度やバランスが崩れるんじゃないかとも思えたが、引っ越しをする際に旧居で分解した机(組み立て式なのだ)を新居で組み立てていたら、どうも棚板がなくても別に変わらないことがわかった。そういうわけで、この夏はずっと棚無しの状態で、コンピューターを机のずっと奥に押し込んで、手前の空間を広くして過ごしてみた。どうだったかって?机の奥の方を覗き込んでる状態だから眼も肩も首も疲れたよ。結局これMacBookを使っているときと同じ姿勢に戻ってしまったというわけだ。黙々と棚板を元に戻し、iMacをぐっと前に置く。棚の上にフィギュアを並べる。棚があると天板の上に置くものが少なくて済む。結局のところデフォルトの状態がいちばん機能的だったということだ。