2018/10/02

瑞丸、自転車にひかれそうになる

 よくひかれそうになるんだが、今回は今までになくひかれそうだった。横断歩道渡ってたら前からどうも左右のどっちに行きたいのかはっきりしないゆらゆら自転車が来るなあと思って、こっちもどっちによけようかなあと一瞬迷いはしたんだけど、こういうときはいち早くぼくはこっちによけるから、という表明をしたほうがいいので、さっと一方によけたら、まだ向こうはゆらゆらなんだよな。案の定そのまま目の前に突っ込んで来るの。別にそこまでお年は召してない感じのおばさんなんだよ。でもなんかハンドル切るのもぎこちなければ、停止状態からペダル踏み込むのにも一苦労みたいな動きなんだよな。勘弁してほしい。思わず「おいおい」と声が漏れた。相手がどんな顔してたかは見てない。こういうときは目を合わせないに限る。都会で生きる知恵である。怪我さえしなければそのまま過ぎ去っていく風景である。ああ、こういうふうに田舎者が身を守るために知恵を絞った結果が「都会の人間は冷たい」になるのかな。それは都会の人間ではないのだよ。警戒心の強すぎる地方出身者なのだ。とにかく、そんな感じでひかれそうになった。というか、前から思ってたけどみんなつま先がぎりぎり地面に届くくらいの高さのサドルにまたがってるんだよな。小学校のとき自転車のサドルは足の裏が全部しっかりつく高さにしましょうとか教わったはずなんだけど、なんでまたあんな、足の親指で地面蹴るような高さになってるんだろう。こぎやすいのかな。ゆらゆら運転は荷物とか子どもとか乗せてる以前にそれのせいじゃないの。子どもを乗せてるお母さんはだいたいそんなふうに見えるから、今に転倒して坊やの頭蓋がかち割れてしまうのではないかと見ていて気が気じゃない。買い物の荷物も積まなきゃいけない、子どもも上と下両方送り迎えしないといけないとか、そういう事情はわかるけど、自転車もそこまで万能じゃない。とにかく危ない。なんでいい大人に自転車の乗り方まで言わなきゃいけないんだよ。うんざりする。ゆらゆらしてなくてもまるで自分は風にでもまったかのように歩行者と歩行者の間をすり抜けていくやつもいるし、車も普通に通る道で大きなカーブを描きながら颯爽と角を曲がったりするし、横断歩道もなんもないところで突然渡り始めるし、しまいには小学生中学年がやりがちな片手離しや両手離しをしながら走ってるおじさんがいたりする。一体どうしたっていうんだよ。あんなのがうようよいるんじゃ、ぼくなんかが車運転した日にはひき殺しちゃうかもしれない。それでも車が悪いことになるんだもんな。嫌んなっちゃうよ。いくら気をつけても無理だ。本当に亀のような速度で運転するしかない。でもそれだと後ろから自称江戸っ子がパーパー鳴らして来るわけでしょ。一体どうなっているのだ。