2018/12/24

『Merry Christmas! 〜ロンドンに奇跡を起こした男〜』(2017)


 今お馴染みのクリスマス、つまりはぼくが好きなクリスマスというのはこの時代から始まったものらしく、その歴史は比較的新しい。キリスト教のお祝いだけでなく、北欧の冬至のお祭りの要素も加わって今の姿となっていて(クリスマス・ツリーなんてその代表で、キリスト教とは無関係の北欧由来のものだ)、そう考えるとぼくたちが本場としてイメージしているクリスマス像も結構カスタマイズされているというわけだ。起源や経緯を忘れてしまうのはよくないけれど、しかし国や地域によって祝祭の形が変わっていくのはおもしろく、またそうやって広がっていくものもあるのではないかと思う。廃れていたクリスマスのお祝いを再発見したディケンズは、クリスマスを発明するとともに、救っていたのかもしれない。自分に合ったクリスマスを楽しみたい。

 「クリスマス・キャロル」そのものは映画も観たことあるけれど、一番イメージが強いのはディズニーのアニメ『ミッキーのクリスマスキャロル』だ。スクルージをスクルージ・マクダック、マーレイをグーフィ、ボブ・クラチットをミッキーといった具合にみんなディズニーキャラクターに置き換えられたもので、親しみを持って名著の内容を知ることができた。ちなみにスクルージ・マクダックの名前はこのスクルージが由来になっている(よくお金を数えてるもんね)。お気に入りはグーフィー扮するマーレイだった。スクルージの前に現れる昔の商売仲間の幽霊マーレイ。グーフィーの特徴である長い手足がおどろおどろしいポーズを取り、身体中に鎖が巻きついたその異様な姿が、子供心に印象的だった。というわけで本作でもマーレイがお気に入りだ。