2018年8月5日

日影丈吉「真赤な子犬」装画



 日影丈吉の代表長編ミステリー「真赤な子犬」新装版(徳間書店)の装画を担当しました。初のミステリー装画、それも往年の作家の代表作というのも大変うれしいです。
 大きめの帯にはイラストによるあらすじも描いています。次から次へと連鎖する謎、間の抜けた死、その中心に姿を現す真赤な犬……ユーモラスと怪奇が織り混ぜられた快作です。


2018年8月3日

もうここらでいいんじゃないか

 画像系のSNSはまだ感覚的に楽しめるところがあるが、テキスト系はもはや読んでいられなくなった。どうしてかはうまく説明できないが、なんとなく他人の思考が垂れ流しになっている様を見続けるのはぼくのような人間にとって楽しいものではない。

 自分はそういったことは書かない、なんて言えば嘘になるが少なくともぼくは自分が楽しいと思えることしか書かないようにしているし、たまに苛立ちに任せて書き散らしたことがあってもわりとすぐに消してしまう。書き込みを削除することが無責任と思われることもあるらしいが、ぼくはSNSを管理されたブログと同様に見ているところがあり、だからこそついつい体裁を整えようとしてしまう。本来はもっと感覚的なツールなのだろう。SNSは深く考えたらだめだ、というのはうちの妻の言。確かにそうだ。ホームページやブログのように作品的な性質はそこにはないのかもしれない。しかし、あまりにも考えなしに使うひとが多いからこそ、「こんなこと」になってしまったのではないか。「こんなこと」がどんなことかはあえて言うまい。

 端的に言えば、他人の不平不満を読むことに疲れた。世の中の理不尽さに対する不満や問題提起は、なるほどその通りだと思えることは多いが(そもそも大抵のことは同意見の人間しかフォローしていないのだから当たり前だ。そうやって考えを精鋭化してしまうのもSNSの特徴だろう)、同意できるというだけで胸の中には嫌なざわめきが起こるし、残る。なによりまずいのは、こちらがそういう気分でない、そういったものを読む準備ができていないときにも、それは次から次へとこちらに流れ込んでくることだ。受話器を取らなくとも問答無用で不特定多数の不満の声が、こちらの都合などお構い無しに聞こえてくる電話を想像してみるといい。気が狂いそうだ。

 もちろん目を向けなければならないことは山ほどある。人間として無視できないことも多い。しかし、あらゆる不満や問題が可視化された世界にやって来てわかるのは、それらはいち個人が漏れなく関心を持つにはあまりにも膨大すぎるということだ。そこに一貫した考えを持つよう言われても到底無理な話である。

 情報過多で疲れ切ってなにも読みたくなくなっている人間を、まさか無関心だと非難はできないだろう。いや、できてしまうのか。

 とりあえず自分自身の日々を楽しむことに専念したい。

それができないから困っている

 新しい住まいにもひどい暑さにも子どもの泣き声にもなんとなく慣れ始めたような気はする。ほとんど毎日なにかしらの締め切りというような日々は相変わらずだが、その合間に残っていた親不知を抜いてとうとう治療が終わり、仕事で名古屋に行く用事があったのでついでにレゴランドに立ち寄ったり、取材の依頼で『スター・ウォーズ』のコンサートに行ったりしていた。

 親不知を抜いた直後に久しぶりに高熱にうなされ、悪寒と震えが止まらなかった。さては寝不足に麻酔がいけなかったのではないかと翌日消毒しに再び病院に行った際、お医者に尋ねたのだけれど、親不知を抜くような手術で熱が出るなんてことはないとあっさり言われる。疲れが溜まっていて、処置の負担が身体にこたえたのだろうということだった。できるだけ睡眠を取って休んでください。そう言われたが、それができないから困っているのだ。ストレスを溜めず、睡眠を取って休みましょう。インターネットにも嫌というほど書いてある決まり文句だ。なんの足しにもならない。お金がなくて困っているひとに、お金を稼ぎましょうと言っているようなものだ。まあ、それが一番ストレートな回答であるのかもしれないが。

2018年8月2日

「CINEMORE」連載第6回「スター・ウォーズ in コンサート」レポート


 映画サイト「CINEMORE」での連載シリーズ、
 「川原瑞丸のCINEMONOLOGUE」の第6回が更新されました。

 https://cinemore.jp/jp/news-feature/372/article_p1.html

 今回は特別篇として、7月29日に東京オペラシティにて開催された「スター・ウォーズ in コンサート Japan Tour 2018」のレポートです。オリジナル三部作をオーケストラの生演奏に合わせて一挙上映するとても豪華なシネマ・コンサートで、三部作それぞれをポスターアート風にまとめました。スクリーンで観なければわからない、生演奏で聞かなければわからないことがたくさんあり、改めてそのディティールの虜になりました。テキストによる詳しいレポートはリンク先よりご覧ください。

 『スター・ウォーズ』について正式に記事を作れたことも、こんな豪華なイベントに関係者席で参加できたこともとてもうれしいです。今後の仕事もフォースとともにありますように。

金曜ロードSHOW!『オデッセイ』


 日テレ系「金曜ロードSHOW!」番組ウェブサイトにて、8月3日に放映される映画『オデッセイ』のイラストレビューが掲載されています。


 『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』での好演が記憶に新しいドナルド・グローヴァーはじめ、SF映画やマーベル映画でおなじみの面々が結構集まっている本作。出演者について細かく書き込んでいます。マッケンジー・デイヴィスが出ていたのはこのたび改めて気づきました。

2018年7月29日

映画サイト「CINEMORE」連載第6回


 映画サイト「CINEMORE」での連載シリーズ、
 「川原瑞丸のCINEMONOLOGUE」の第6回が更新されました。


 今回は映画に登場するクルマで特に好きなものを3台紹介。主役級のクルマ、ちらりと登場するクルマ、なんとなく登場人物たちに運転されるクルマなど、映画には必ずと言っていいほどクルマが出てくるけれど、その車種であることに意味や物語があるところがおもしろい。

ギズモビーズよりiPhoneケース発売

  モバイルアクセサリでお馴染みのギズモビースよりオリジナルデザインのiPhoneケースが登場しました。全4種類で、背面だけでなく画面側にもカバーを着けられます。持ちやすく頑丈、保護と装飾にぜひ。

 購入ページ





2018年7月27日

営業報告



■ 「SPUR」2018年9月号(集英社)

 今月号のSPUR映画レビュー連載では8月10日公開、ゲイリー・ロス監督、サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイほか出演『オーシャンズ8』を紹介しています。ご存知『オーシャンズ11』の主人公、の妹がクセのある女たちを集めてダイヤモンドを狙う新生オーシャンと仲間たち。
 ダニー・オーシャンの妹が主人公ということなので、同じメインキャストを女性に置き換えた16年の『ゴーストバスターズ』とは違って別にリブートというわけではない。挙動不審なヘレナ・ボナム=カーターもおもしろいけど、オークワフィナが良い。





■ 「婦人公論」2018/8/10号(中央公論社)
 
 ジェーン・スーさん連載「スーダラ外伝」第29回挿絵。女子アナブームのお話。







■ 「みついショッピングパーク キッズクラブ」

 三井ショッピングパーク会員クラブ「キッズクラブ」の施設向けリーフレット、ポスター、Webポータルサイト等のイラストレーションを担当しました。サイトに行くと犬のしっぽが動いたりして楽しいです。
 保護者の方が『三井ショッピングパークカード』、『ラゾーナ川崎プラザカード』、『ステラモールポイントカード』会員で、小学生以下、あるいはお腹の中にいるお子さんが対象の、いろいろな特典のあるクラブだそうです。詳しくは以下にて。


2018年7月12日

映画サイト「CINEMORE」連載第5回


 映画サイト「CINEMORE」での連載シリーズ、
 「川原瑞丸のCINEMONOLOGUE」の第5回が更新されました。
 今回は『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のお話。ラストシーンで恐竜王国と化した島で、あれだけ大暴れしたティラノサウルスは背景扱いになりながら、プテラノドンが最後の最後に見せ場を持っていくのはなぜなのか。アーサー・コナン・ドイル著「失われた世界」から  『ジュラシック・パーク』シリーズに到るまで、特撮と恐竜の系譜を紐解きます。


2018年7月3日

オーラ・シングとは誰か


 なにがいいって、やっぱり『ファントム・メナス』全肯定な感じがよかった。ハン・ソロのお話なのに『ファントム・メナス』の世界観が繋がってくるところがおもしろい。

 オーラ・シングは本当に一瞬映るキャラクターでありながら、その独特の風貌が印象的だった。SWは重要でないキャラクターや乗り物のデザインが必要以上に凝っているところが大きな魅力で(個人的にはシークエル以降そのあたりが今ひとつ足りない気がするんだけど)、だからこそ世界観に奥行きが与えられる。ボバ・フェットもその意味では本来雑魚キャラに含まれるのだが、あの通り非常にかっこいい見た目をしている。

 改めてオーラ・シングを見てみると、真っ白の肌に赤いコスチューム、赤い髪というのが切れ味のいい色使いですごい。装備もいかにも賞金稼ぎといった具合。身体のラインが強調されるボディスーツに革のホルスターを二つ提げてブーツを履いたヴィジュアルはまさに宇宙西部劇だ。

 セリフでほんの少し言及される言葉や名前も「何かがあったらしい」といった背景が感じられて楽しい。今回はそんな思わせぶりなセリフの中でオーラ・シングの死が語られ、『ファントム・メナス』が好きなぼくとしてはショックでもありうれしくもあった。

 もしかして、ボバ・フェットがハン・ソロを追いかけてたのって、賞金云々以前にソロが姉御殺しベケットの弟子だったからなのかな?なあんて想像が膨らみ、自分でいろいろと解釈を広げるのも楽しみ方のひとつだろう。